7/31, 8/1 にオンラインのオープンキャンパスが行われました. たくさんの個別面談の申し込みと模擬講義へのご参加, ありがとうございました 😊
今回の模擬講義は, 初めて海洋生命科学部の学部棟からの配信となりました. アクアリウムラボをバックに講義したので, 海洋らしい雰囲気を出せたのではないかと思います 🐟
私も模擬講義を担当させてもらい,「海で出会った先生たち」というタイトルでイカナゴのお話をしました. せっかくなので, いつもブログに出ている学生たちにも登場してもらいました. みんなで一緒にできて, とても楽しい時間となりました 😆

模擬講義では, たっくさんの質問をいただけて, とっても嬉しかったです 😄 せっかく質問してくれたにも関わらず時間切れとなってしまったため, ブログにて回答させていただくことにしました 🙋♀️
💡 オホーツク海と瀬戸内海でイカナゴの大きさが違うのはなぜ ? 💡
成長したサイズも違いますが, そもそも寿命が違います. 瀬戸内海のイカナゴの寿命は約 3 年ですが (近年では 1 歳で斃死することが多く, これも個体数が減少した要因の 1 つとして考えられています 😢), オホーツク海のイカナゴは 6 歳以上にもなります. 例えるなら, 瀬戸内海ではネズミのように早く成熟して一生を終えるのに対し, オホーツク海ではゾウのように大きくなるまでゆっくり成長してたくさんの子供を産む繁殖戦略を採っていると考えられます (専門用語では r/K 戦略と言います, と専門の先生に教えてもらいました 😊)
💡 イカナゴに脂鰭はある? 💡
脂鰭 (あぶらびれ) は背鰭と尾鰭の間にある小さな鰭で, サケ科など一部の分類群が持つ特徴ですのでイカナゴにはありません. 日本沿岸に生息しているイカナゴ属 3 種には腹鰭もないのですが, より祖先種に近いと考えられているタイワンイカナゴ属には腹鰭を持つ種もいます 🤔 鰭のありなしと砂に潜ったりする生態を絡めて考えるのは面白いですよね 🎉
💡 分類するとイカナゴはどんな魚に近い ? 💡
専門的に説明するとイカナゴ科はワニギス亜目に属していて, 砂のある場所で暮らす魚類が仲間です. また, イカナゴと同じように砂に潜るミシマオコゼなどもいます.
水温が高くなる夏にイカナゴが砂に潜り続けること (夏眠) は, エネルギー消費を抑えることが目的で, 冷水起源のイカナゴが温暖な海域に進出するために獲得した生態と考えられています. 一方, イカナゴ科の形態的な特徴からは熱帯起源である可能性も見出されているんです ! つまり, まだまだわからない点が多く, もっともっと研究するしかないですよね ❤️ どの種に近いか, というのはどのレベルで見るかによりますが, 割と近縁な種でイカナゴと同様に砂に潜る行動が共通して確認されています. そのため, 特徴ある生態に着目していくことで進化の過程が明らかになると考えています 🐟✨
イカナゴ先生は謎だらけなんです 😏 一緒に謎を解明してくれる方, 大募集中です 😆

改めて, オープンキャンパスへのご参加, ありがとうございました. 次回は 8/22 に予定されていますので, ぜひご参加ください.
